幼いころ、友達とよく山にいって、建付けのわるい小屋を作った。親には絶対にいわない秘密の基地だと呼んでいたことを覚えている。宿題も掃除も親に干渉されることのない秘密の俺達だけの場所・隠れ家。街の喧噪をすべてわすれて、薪が燃える音と草木がゆれる風に耳をすませる。そんな贅沢な時間の使い方が最高である。豚ばら肉を塩漬けにして、ブナ林の老木で燻す。軒先につるしたベーコンを見守りながら、夜はふけていく。何気ない料理素材にもこだわりの下ごしらえ。量販店で買えば済むなんていう野暮な理屈はぬきにしよう。自分で作ることに遊びの醍醐味がある。俺の料理素材。1で済むことを3、やることに遊びの原点がある。最近、すこしだけスコッチウイスキーの減りが早くなったようだ。