富山港と岐阜県の高山を結ぶ過酷なアルペンロード。
いつしかこの地の人達はブリ街道と呼ぶようになった。
12月の年の瀬、富山港に水揚げされる新鮮な寒ブリを、
いち早く北アルプスに囲まれた髙山に運ぶ。
海のない山間の街にも新鮮な寿司屋が多いことに納得がいく。
さて、この寒ブリという名称、鰤のなかでも最高に高値がつく品。
魚体は最低でも10キロはいるという。
10キロ以下はワラサと呼んで、鰤の名称はつかない。
脂の載りがまったく違うので、別物として扱う。
何とも贅沢な魚である。
令和の現代においては、危険なアルペンルートを使って
過酷な運搬を強いる必要もなくなった。
家庭の台所には12時間前の料理素材がそのまま届く。
美味しいという形容詞をもっと家庭のなかに具現化するためには、
量販店、専門店、家庭をこえた専門素材が翌日に届く流通体制。
俺の料理素材は皆様の家庭に日本海の<寒鰤>をお届けします。